粘度検出器 ViscoStar

概要

粘度検出器ViscoStarは、SEC(GPC)システムの検出器として使用可能な、フロー式の高性能粘度検出器です。示差屈折率検出器と組み合わせることで、高分子溶液の物性を評価する上で、重要なパラメータの1つである固有粘度(極限粘度):[η]の測定を簡便に行うことができます。

粘度検出器ViscoStar

特長

固有粘度分布を迅速に測定

従来のガラス管式の粘度計で長時間掛けて得ている情報を数十分で得ることができます。

Mark-Houwink-桜田プロットを容易に測定可能

MALS検出器で得られる絶対分子量と組合せ、Mark-Houwink-桜田のプロットを容易に表示できます。

Mark-Houwink-桜田のプロット表示イメージ

Mark-Houwink-桜田プロットは、固有粘度と分子量の関数で、溶液中の高分子のコンフォメーション(分子形態)を明らかにします。ここでは低分子、中分子、高分子デキストランのMALS検出器で求めた分子量とViscoStarで求めた固有粘度の関係を表示しています。MHSプロットの傾きは溶液中のコンフォメーションと関連づけることができます。このデータは、分子量の増加に伴い、試料のコンフォメーションが変化していることを示しています。

高感度測定を実現

ポンプパルスサプレッション機能によりポンプ脈動を抑制し、オリゴマーレベルの固有粘度測定を実現します。

アプリケーション
  • 高分子の固有粘度分布測定
  • 溶液中の高分子の分子形態評価
  • 高分子の分岐度評価
  • 流体力学的半径の測定
  • ユニバーサルキャリブレーション法による分子量測定
測定原理
ViscoStarは、4アームブリッジ方式の粘度検出器です。カラムから溶出してきた移動相は、ブリッジの頂点で分けられ、半分ずつ互いのアームに流れていきます。移動相のみが流れている際は、左右のブリッジのバランスは釣り合った(均等圧)状態であり、中心にある差圧トランスデューサー(DP)はゼロを示します。試料が溶出された場合も同様に頂点で均等に分けられますが、左側のR3ブリッジの手前にはデットボリュームがあり、ここに試料が入ると、R3ブリッジが溶媒、R4ブリッジは試料溶液となり、圧力差(差圧)を生じます。この差圧から比粘度を求め、示差屈折率検出器(RI)からの濃度情報と組み合わせることで、高分子試料の固有粘度[η]を求めます。

測定原理イメージ図

仕様

粘度差
感度(検出下限試料) 0.1µg(100kDa ポリスチレンを移動相 THF、1.0mL/mLで測定した場合)
差圧ノイズ <0.05Pa
差圧範囲 6.9kPa、超過圧に対する保護
ダイナミックレンジ 135,000:1
直線性 フルスケールの0.5%
差圧ドリフト <2.5Pa/hr
キャピラリーブリッジオートバランス 温度、リークフリーメカニズム
試料せん断速度 5000Hz(水中、1mL/minにおいて)
流体
最大流速 1.5mL/min(水)、3.0mL/min(THF)
溶出遅れオプション 8.1、5.4、2.7mL
最大許容圧力 690kPa
接液部材質 316ステンレス、PTFE、ケイ酸ジルコニウム、カルレッツ®、インコネル®、26-1ステンレス
温調
範囲 4°C~70°C
安定性 <0.005°C
室内環境 0°C~40°C、20%~70%RH
エレクトロニクス
インプット オートインジェクト接点信号、アラームイン、アナログイン:2種、16bit, -10~+10V
アウトプット オートインジェクト信号の転送、アラームアウト、リサイクルアウト
通信 Ethernet
寸法 58cm(L) × 36cm(W) × 18cm(H)

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