動的光散乱 (DLS) 測定器 DynaPro NanoStar Ⅱ

概要

動的光散乱 (DLS) 測定器 DynaPro NanoStar II 外観写真

DynaPro NanoStar Ⅱは、動的光散乱法により、ナノ粒子やタンパク質の粒子径分布測定を迅速かつ高精度で測定することができます。また、静的光散乱測定機能も搭載し、タンパク質の分子量測定にも対応します。

特長

タッチパネルディスプレイによる簡単操作

タッチパネルディスプレイ
タブレット端末を使用するイメージで、どなたでも簡単に光散乱測定を行えます。
*高度なデータ解析は、Windowsソフトウェア(PC)で行います。

動的及び静的光散乱の同時測定を行えます

動的光散乱用と静的光散乱用に各々独立した専用検出器を搭載しています。そのため、粒度分布と分子量、粒子個数濃度の測定を同時に行えます。

同時測定
AAV(アデノ随伴ウイルス)の測定例
動的光散乱で粒度分布を求めると同時に、静的光散乱で粒子個数濃度を求めることができます

豊富なセルオプション

2µL、45µL容量の石英セル、4µL容量使い捨てセルの他、使い捨て角型セルも対応可能です。

使い捨てセル
4µL使い捨てセル
貴重な試料を汚れの影響を受けずに測定できます

 

石英セル
石英セル(2もしくは45µL)
静的&動的光散乱双方の測定に対応します。

 

使い捨て角型セル
使い捨て角型セル
コストパフォーマンスに優れます

MALS検出器との接続によるフローDLS測定に対応

多角度光散乱検出器DAWNのフローセルアッセンブリに光ファイバーを接続することで、フローDLS測定に対応します。

多角度光散乱検出器DAWN

主なアプリケーション

  • ナノ~サブミクロン粒子の粒度分布測定
  • 蛋白質の粒度分布及び重量平均分子量測定
  • 粒子個数濃度測定
  • 試料の熱安定性評価
  • 試料のコロイド安定性評価
  • 溶液粘度測定
  • 濁度測定

測定原理

希薄溶液中に分散している粒子は、液中でブラウン運動をしています。ブラウン運動は、粒子の大きさに依存し、小さな粒子は早く、大きな粒子はゆっくりとランダムな動きをしています。そのような粒子に光を照射した際に得られる散乱光は、分子サイズに依存した揺らぎを持ちます。動的光散乱法は、この光散乱強度の揺らぎの時間依存から、散乱強度の自己相関関数を求め、そこから拡散係数(Dt)を求めます。拡散係数(Dt)と流体力学的半径(Rh)の関係は、ストークス・アインシュタインの式で表され、試料の粒子径を求めることができます。

測定原理

仕様

仕様
測定手法 動的光散乱法
性能 流体力学的半径測定範囲(DLS) 0.2~1,000nm
分子量測定範囲(SLS) 300~1MDa
粒子濃度測定範囲 1×105~1×1015mL-1(粒子径に依存)
感度 0.1mg/mL(14.4kDaリゾチーム in PBSにおいて)
温調範囲 -10℃~+120℃(0℃~80℃:4µL使い捨てセル使用時)
最大加温速度:15℃/min;安定性±0.01℃
サンプルオプション サンプルセル 2µL or 45µL容量石英セル
4µL容量使い捨てセル(環状オレフィンコポリマー)
市販の4mL石英、使い捨てセル(アダプタが必要)
最小サンプル容量 石英セル:2µL
使い捨てセル:4µL
光学系 レーザー波長 658nm
レーザー出力制御 10%-100%で設定可能
散乱角度 90°
光ファイバー マルチモード
追加検出器 レーザーモニター:レーザーのアクティブ安定性を観測
前方モニター:濁度及びレーザー/セルの診断を行うために透過光を観測
エレクトロニクス データ収集時間 1~3,600秒
コーリレータ― 512チャンネル、マルチタウレイアウトで100n秒のサンプリング時間
寸法 57cm(L)×36cm(W)×20cm(H)

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