分子間相互作用システム CalypsoⅡ

概要

Wyatt CalypsoⅡは、多角度光散乱検出器DAWN及び示差屈折率検出器Optilabと組合せ、溶液中におけるタンパク質-タンパク質間の分子間相互作用解析を行えます。
自己会合、ヘテロ会合の双方に適応し、第二ビリアル係数、カイネティクス解析、ストイキオメトリーの決定に対応します。

分子間相互作用システム CalypsoⅡの製品写真

特長

溶液中でのタンパク質の分子間相互作用解析が可能

光散乱法を利用しているため、溶液中における分子間相互作用を測定できます。

試料の固定化、修飾は不要

測定のための試料の固定化や修飾は必要ありません。

自己会合、ヘテロ会合の双方に適応

ヘテロな相互作用だけでなく、自己相互作用の解析も可能です。

一回の測定で、解離定数kdとストイキオメトリー(化学量論)の双方を決定可能

Kdとストイキオメトリー(化学量論)を同時に測定できます。ストイキオメトリーは、モル比ではなく、実数で合わせられます
(例 A:B=1:1とA:B=2:2を区別できます)

反応熱の影響を受けずに測定可能

異なる緩衝液の混合や低分子試料の反応熱の影響を受けず、タンパク質間の分子間相互作用を測定可能です。

主なアプリケーション

  • タンパク質のアフィニティ解析
  • タンパク質溶液の非特異的相互作用(第二ビリアル係数)測定
  • キネティクス解析

システム構成と分析手法

CalyPsoⅡに蛋白質溶液と緩衝液を準備し、多角度光散乱検出器(MALS検出器)及び濃度検出器(UVもしくはRI検出器)への組成もしくは濃度グラジエント送液を行ないます。MALS検出器と濃度検出器の情報から、各ステップにおける重量平均分子量(Mw)を算出できます。会合体を形成すると、その分Mwは大きくなます。
よって、様々な実験メソッドを組むことで、非特異的相互作用及び特異的相互作用解析を行なうことができます。


CalypsoⅡとMALS検出器、濃度検出器を直列に繋ぎます

測定原理

単一種もしくは異種間の可逆的な結合は、モノマー同士と複合体間の熱力学的平衡、つまり平衡結合定数Kaに左右されます。特異的複合体は、濃度の違いや、ヘテロ結合においてはAとBの存在比の違いにより形成されます。
複合体の存在は、溶液中のサンプルの重量平均分子量(Mw)の変化を見ることで明らかになります。Mwは、サンプルによる光散乱に関連する過剰レイリー比Rに反映されます。
理想希薄溶液において、過剰光散乱の総量は、存在する各種から発せられる散乱強度の総計となり、以下の式で表せます。

各種の濃度Ciは、Kaiとモノマー濃度CAとCBに依存します。CalyPsoソフトウェアは、一連の組成グラジエントによるMALS検出器のデータから、結合モデルをフィットさせ、結合定数とストイキオメトリーの双方を算出します。更にCG-MALS法は、結合比の等しい複合体(1:1と2:2など)を含む場合のストイキオメトリーの違いも見極めることができます。

光散乱法による特異的相互作用の測定は、相互作用の強さ(Kd)とストイキオメトリーの双方を同時に算出できます。

仕様

接続可能検出器
  MALS検出器:DAWN,miniDAWN 濃度検出器:Optilab TrEX、UV/VIS検出器
シリンジポンプ 4ポートバルブ付きポンプを3個搭載
シリンジ容量 12.5μL-12.5mL(標準は1mL)
デガッサー 各ポンプ毎に搭載、内部容量100μL
耐圧 1~mLシリンジ:200psi 0.5~mLシリンジ:350psi
使用可能溶媒 水系
1分析当たりのサンプル容量 3~7mL(検出器の構成による)
測定再現性 Mw:±5%
A2:±0.5×10-4mol/g2 (サンプルの分子量が50~100kDaの時)
log(Kd):±0.3
測定レンジ 平衡解離定数Kd:100pM~1mM 分子量100kDaの時
会合ストイキオメトリーモデル:セルフ及びヘテロ会合モデル
電源 AC100V
寸法 370(W)×350(H)×580(D)㎜

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