スケールアップする際に、サンプル負荷量に比例したゲル量のカラムを使用した時の分取データを比較しました。
アセトフェノン フタル酸ジメチル
分離例
■分取条件
移動相 : A / ヘキサン B / 酢酸エチル 78:22
検出 : UV 254 nm
カラム : Purif-PackⓇ SI-SIZE 60 カラム : Purif-PackⓇ SI-SIZE 60
(ゲル質量 30g) (ゲル質量 200g)
流量 : 20ml/min 流量 : 60ml/min
サンプル : * トルエン サンプル : * トルエン
1 アセトフェノン 0.1g 1 アセトフェノン 0.7g
2 フタル酸ジメチル 0.24g 2 フタル酸ジメチル 1.68g
カラム : Purif-PackⓇ SI-SIZE 60
(ゲル質量 400g)
流量 : 80ml/min
サンプル : * トルエン
1 アセトフェノン 1.5g
2 フタル酸ジメチル 3.6g
各サイズとも、同程度の分離度を示すことから、サンプルに比例したゲル量のカラムサイズを選択すると、同じ分取条件でスケールアップができることがわかりました。
解説:分離度について
分離度Rsは2つのピークの分離度合いを表す指標としてよく用いられます。下記のような式で示され、一般的には分離度が1.5以上であれば完全に分離されていると判断できると言われています。
W1、W2:変曲点における接線とt軸が交わる点の間隔
t1、t2 :ピークトップの時間値
カラムの分離性能は理論段数で表すことがありますが、理論段数は溶出時間とピーク幅に反比例します。大型カラムにスケールアップする場合は溶出時間やピーク幅は大きくなりますので、同程度の分離度合いでも理論段数は低下していまい、評価の指標には適しません。そのため今回の実験では分離度を指標として用いました。