蛋白質の凝集状態(要約)
異なるバッファー条件下における蛋白質の凝集状態の評価にSEC-MALS測定を利用した例です。分析を行う前に、蛋白質を様々な緩衝液(塩濃度150-500mM 、pH 5-8.5)を用いて透析処理を行い、各試料を移動相にPBS、流速は1.0mL/minでSEC-MALS測定を行っています。 両図にある黄色の三角点は未処理の蛋白質で、これらの図は、各緩衝液条件下における蛋白質の凝集変化を示しています。SECカラムにより分離されたピークの分子量は、MALS検出器で決定しており、その値は、この蛋白質のモノマー、ダイマー、トリマー、それ以上のオリゴマーの値と一致してきます。 ほとんどの緩衝液条件において、未処理の試料と結果は一致してきますが、幾つかの条件では、分子量の増減が見られます。これは、塩濃度やpHによる解離、会合が起こっていることを示唆しています。 このように、SECにMALS検出器を接続することで、SECの結果を正しく解釈することが可能となります。
この資料は、Zhong-Fu Huang氏(Boehringer-Ingelheim Pharmaceutical)よりWyatt社にご提供頂いたものです。