ポリアクリルアミド

表

ポリアクリルアミド(PMA)は、粘度が高いため多くの分野で使用されています。 農業分野では、灌漑を効率的に行ったり、土の侵食を防ぐために使用されます。 また、写真フィルムやバッテリーの容器に使われる他、石油採掘の際に土をドリリングするのにも用いられます。 タンパク質や核酸のゲル泳動にも用いられます。 このようなPAMの利用に当たっては、どの場合にもモル分子量とモル分子量分布の測定が必要となります。

サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)と多角度光散乱検出器(MALS)の組合せ使用が、モル分子量の絶対値の測定とモル分子量分布の測定に必要不可欠です。 ここでは、Shodex OHpak SB-806 HQカラム、光散乱検出器Wyatt DAWN DSP、示差屈折率検出器Wyatt Optilab DSPを用い、データ処理にはWyatt ASTRAを用いました。

モル分子量とrms半径は、SECによるピークの各スライスから求められます。図1に、Debyeプロットを示します。 ASTRAでは、不確実性を表示しますので、結果の信頼性が確認できます。測定は、50℃と室温で行われました。 図2には、モル分子量を溶出容量に対してプロットしました。

表からは、室温の場合に分散度が低いことが分かります。 これは、サイズ排除以外の分離モードが働いていないことを示します。 高モル分子量の成分の一部がカラムに保持されて、低モル分子量の成分と一緒に溶出することがありますが、この効果は50℃の場合にはなくなりますので、加温によりサンプルの分離は向上します。

ポリアクリルアミドのクロマトグラムの一つのデータスライスのDebyeプロット

図1:ポリアクリルアミドのクロマトグラムの一つのデータスライスのDebyeプロット。

室温から50℃に加温することにより、分離は大きく改善されます

図2:室温から50℃に加温することにより、分離は大きく改善されます。

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