懸濁液中のサブミクロンの微粒子の最も正確なキャラクタリゼーシヨンは、顕微鏡を用いて1回に1個ずつ測定する方法です。 多くのタイプの微粒子は、粒度分布の標準になっている電子顕微鏡(TEM)を用いて苦労して測定されています。 しかし、微粒子を最初にサイズで分離することにより互換性があり 正確で簡便に測定できる多角度レーザー光散乱(MALS)による測定法が開発されました。
フイールドフローフラクショネーション(FFFractionation Inc. 社製のFlow FFF)を用いて微粒子サンプルがサイズ排徐クロマトグラフィー用力ラムで分子を分離するのと同じ方法で分離出来ます。 分画後すぐに分離された粒子が各溶出分画のスライスごとの正確な分子サイズを出すため DAWN DSP多角度光散乱検出器で連続的に測定できます。 各分画(スライス)の質量又は、数濃度がわかれば目的のサンプルのサイズ分布が導かれます。
表1:粒度分布の結果
Sample | FFF/DAWN | TEM | PCS |
---|---|---|---|
Nanosphere 50 | 50 ± 2 | 50 ± 2.0 | 54 ± 2.7 |
Nanosphere 70 | 72 ± 2 | 73 ± 2.6 | 74 ± 2.7 |
Nanosphere 150 | 149 ± 1 | 155 ± 4 | 150 - 158 |
Nanosphere 200 | 201 ± 1 | 204 ± 6 | 201 - 207 |
Nanosphere 350 | 354 ± 3 | 343 ± 9 | 352 - 361 |
Nanosphere 500 | 505 ± 7 | 503 ± 4 | 505 -530 |
Nanosphere 730 | 722 ± 30 | 730 | NA |
図1は光子相関分光法(PCS)よって分析された場合、同一に見える2つのポリスチレンラテックスのサイズ分布を表しています。 2つのサンプルは上で述べたFlow FFF/DAWNで分析されると平均直径がわずか数nm違っていても明らかな違いを見せています。 図22はサイズが150nmと200nmに相当する2つの単分散ポリスチレンラテックスサンブル(Dnke Scientific 社製)のサイズ分布を示しています。 これらのサンプルの正確な直径と単分散性が容易に確認できています。 最後に表1はTEMとPCSとFlow FFF/DAWNの精度を比較しています。 結果は、Flow FFF/DAWNの組み合わせが実質的にTEMと同じ精度であることを示しています。 Flow FFF/DAWNの結果はPCSより非常に高い精度を示し、理論的なモデルに基づいた分布ではなく、実際の粒度分布情報を提供します。
図1:PCSでは区別できない2つのラテックスサンプルがFlow FFF/DAWNを用いた分析によって差異があることを示しています。
図2:それぞれ150nmと200nmの2つの狭い分布のポリスチレンラテックスのサイズ分布