ポリ乳酸

ポリ乳酸は将来性のあるポリマーです。 生分解性が在ることについて広く知られており環境に優しいポリマーとして、ポリスチレンやポリエチレンのような炭化水素系ポリマーを代替えすることができます。 生分解するので、包装材料から外科の縫合までいろいろと応用できる可能性が在ります。 薬やワクチンの運搬用として再吸収可能なマイクロスフェアーとしても使用できることも見つかっています。 ポリ乳酸の特性はその分子量と分子量分布に密接に関係しています。 最初の合成からパイロットプラントでの製造、本プラントでの製造における品質管理まで製品の成功にはポリマーの分子量と分子量分布が重要な要素となっています。

しかし、キャリブレーションスタンダードを用いたSECによる従来の相対分子量測定は、ポリ乳酸と同じキャリブレーションカーブを示すスタンダードがないため、ポリ乳酸の分析には適していません。 HPLC/SECシステムにDAWN DSP多角度光散乱検出器(MALS)を接続することにより、ポリ乳酸の絶対分子量が直接測定できるのでキャリブレーションスタンダードを必要としません。

ポリ乳酸は移動相として低屈折率の溶媒であるヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用いてSEC-MALSにより分析できます。 低屈折率移動相(クロロホルムやジクロロメタンより屈折率が低い)によりdn/dc値を大きくできるので、光散乱の応答とRI検出器の信号の両方を増大させることができます。 これにより幅広い分子量範囲ですばらしい感度を確保します。 移動相への有機改質剤の添加により分子量対溶出容量のプロット(図1)のようにすばらしい分離が得られます。 右の図のように強力な分析結果から2つの重要なグラフを見ることができます。

ASTRAによるポリ乳酸(Sigma P 1691Poly-Lactide)の分子量対溶出容量のプロット

図1:ASTRAによるポリ乳酸(Sigma P 1691Poly-Lactide)の分子量対溶出容量のプロットです。サンプルが多分散であるこ とがわかります。

ポリ乳酸(Sigma P 1691 Poly- Lactide)の積分分子量分布

図2:ポリ乳酸(Sigma P 1691 Poly- Lactide)の積分分子量分布です。

ページトップへ