溶液中のタンパク質の特性解析はいろいろな分野において非常に重要なことです。 製薬や生化学の分野において、タンパク質をベースにした製品には凝集体が存在しないことが必要です。
多角度光散乱光度計DAWN(r)DSPは、溶液中のタンパク質の分子量(Mw)測定に非常に有効な手段であり、凝集状態を調べるにも高感度測定が可能です。 また光散乱の応答は、測定されるサンプルの分子量(Mw)に濃度を掛けたものに直接比例するので、凝集体の形成量を高感度検出するのに最適な方法です。
HPLCの検出器として使用する場合、miniDAWN(r)あるいはDAWN(r)DSPは標準物質や検量線を用いずに、溶出したタンパク質の絶対分子量を測定することができます。
DAWN(r)を用いればタンパク質のモノマー、ダイマー、そして更に大きなアグリゲーションの存在を簡単に確認できます。
図1:牛血清アルブミン(Bovineserumalbumin,BSA)のminiDAWN(r)の90°出力(LS2)と屈折率検出器の出力(AUX1)を比較したものです。 アグリゲート(ダイマー、トライマー)がはっきりと検出されています。
Column | : | ShodexPROTEINKW-804+KW-803 |
Eluent | : | 50mMPhosphatebuffer+0.1MNaCl |
Flowrate | : | 1.0mL/min |
図2:人血清アルブミン(Humanserumalbumin)のデバイプロットです。 3角度各々の光散乱強度を示しています。分子量だけでなくサイズ(根平均二乗半径)も測定可能です。 スライスラインで示された凝集体のMwは3.8×10g/mol、r.m.sは53nmです。