多角度光散乱検出器  DAWNシリーズ

多角度光散乱検出器 DAWNシリーズ

各種高分子の絶対分子量・分子サイズを測定します。

DAWN HELEOSII(18角度式) miniDAWN TREOS

装置概要

多角度光散乱検出器(Multi Angle Light ScatteringMALS)は、静的光散乱法により各種高分子の絶対分子量、分子サイズを測定します。
お手持ちのサイズ排除クロマトグラフィーSECGPC)と接続し、検出器としてのご使用は勿論、高性能な静的光散乱測定器として、バッチ測定にも対応します。
18角度に検出器を設置したDAWN HELEOSⅡ、8角度式のDAWN HELEOS8+、3角度式のminiDAWN TREOSとラインナップを用意しています。

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装置特長

➀標準品を使用しない絶対測定
   静的光散乱法は、高分子の分子量を測定する絶対測定法です。従来のSEC(GPC)法とは異なり、構造の影響やカラム吸着
   の影響などを受けることなく、正確な分子量を測定できます。

 

➁バッチ測定、フロー測定の双方に対応可能
   SEC(GPC)やFFFシステムの検出器としてフロー測定(SEC-MALS、FFF-MALS測定)に対応することは勿論、バッチ測定器と
   しても、迅速かつ正確な静的光散乱測定を実現します。

 

➂セル内部の汚れ防止のため超音波洗浄機を内蔵
   光散乱測定は、溶液中の微粒子や不溶成分の影響を受けやすい測定法です。その為、光散乱検出器は、他のHPLC検出器
   と比較して、汚れの影響を受けやすい検出器です。DAWNシリーズは、光散乱検出器で唯一、装置内に超音波洗浄機を搭載
   しており、日常的な使用における汚れの付着を防止することができます。

 

➃動的及び静的光散乱のフロー同時測定に対応(オプション)
   動的光散乱モジュールを内蔵することで、静的及び動的光散乱の同時フロー測定を実現します。SEC-MALS-DLS及びFFF-
   MALS-DLS測定を行 うことができます。

 

➄高感度、高安定性を誇る世界標準の多角度光散乱検出器
   30年以上もの間、フロー式光散乱検出器をリードしてきたWyatt Technology社が最新の技術を駆使して開発した多角度光散
   乱検出器です。高感度、高安定性を誇り世界中で多くの研究者に愛用されている世界最高グレードの多角度光散乱検出器で
   す。

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主なアプリケーション

合成・天然高分子

  1. 絶対分子量、分子サイズ分布測定
  2. 溶液中のコンフォメーション(分子形態)解析
  3. 分岐度測定
  4. 第二ビリアル係数の測定

アプリケーションの実例はこちら

 

タンパク質

  1. 溶液中の会合数の決定
  2. タンパク質複合体の分子量測定
  3. タンパク質凝集体の検出
  4. 溶液中の特異的及び非特異的相互作用解析

アプリケーションの実例はこちら

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測定原理

高分子溶液に光を照射するとその光と同じ波長で散乱(レイリー散乱)します。 その散乱の強さ(散乱強度)は分子量の大きさに関係します。 HPLC測定のような非常に希薄な濃度条件下では光散乱強度、散乱角度、分子量の基本関係は以下の式で表せます。

数式

R(θ):過剰散乱のレイリー比
C:サンプル濃度(g/mL)
Mw:重量平均分子量(g/mole)
A2:第二ビリアル係数
K*:光学パラメータで4π2n02(dn/dc)2/[λ04NA]
N0:溶媒の屈折率
dn/dc:屈折率の濃度増分
NA:アボガドロ数
λ0:真空中での入射光の波長
P(θ)は散乱光の角度依存性を示します。 低角度ではこの変化は平均二乗回転半径< rg2 >にのみ依存し、分子構造や分岐には依存しません。 HPLC測定のような希薄濃度条件下でのK*c/R(θ)とsin2(θ/2)のプロットはその切片からMwが、低角での傾きからは< rg2 >が求まります。

HPLC測定のような希薄濃度条件下でのK*c/R(θ)とsin2(θ/2)のプロット

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仕様

DAWN HELEOSⅡ DAWN HELEOSⅡ8+ miniDAWN TREOS
光源 120mW半導体レーザー 60mW半導体レーザー
波長=658nm
検出器配置 18角度 8角度 3角度
検出器タイプ ウルトラハイブリッドフォトダイオード
使用可能溶媒 HPLCに対応可能な全溶媒
温度制御(オプション) 恒温    -15~80℃
高温    室温~150℃
超高温  室温~210℃


なし
分子量測定範囲 103~109g/mole(ダルトン)* 103~107g/mole(ダルトン)* 103~106g/mole(ダルトン)*
分子サイズ(回転半径)測定範囲 10~500nm * 10~300nm * 10~50nm
測定方法 フロー法、バッチ法、マイクロバッチ法 フロー法、マイクロバッチ法
分析方法 Debye,Zimm,Berryの各プロット
コンピューターインターフェイス Ethernet
寸法 360(W)×210(H)×590(D)mm 357(W)×168(H)×595(D)mm
重量 19kg 12kg

*測定範囲はサンプルや分析条件に依存します。

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使用例

SEC-MALSとしての接続例

 

SEC(GPC)-MALS測定ではMALSをSECの検出器として使用しています。 従来のSEC測定で必要な標準試料を必要としません。 MALSはカラムから溶出してきた高分子の分子量及びサイズを直接かつ連続的に測定します。 ここで測定される分子量はサンプルの構造に依存しない絶対分子量です。
従いましてSEC-MALS測定は真の分子量・分子サイズ分布を測定することができます。 またカラムとの相互作用による溶出遅れやイオン排除の影響も確認できます。

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SEC-MALS測定例

<<水溶性サンプルの測定(溶出挙動の比較)>>

水溶性サンプルの測定(溶出挙動の比較)

同一測定条件でPEO、プルラン、デキストラン、BSAをSEC-MALS測定しました。 MALS測定をすれば、それぞれの構造の影響を受けることなく正確な分子量を求めることができます。

<<蛋白の凝集測定>>

蛋白の凝集測定

牛血清アルブミン(BSA)をSEC-MALS測定しました。 光散乱法による分子量測定は、イオン化の必要が無く、溶液中の会合体をそのまま測定できます。 この測定例では、1~4量体までを検出し、それぞれの分子量まで測定しています。

<<ポリスチレンのSEC-MALS測定(溶媒の違い)>>

ポリスチレンのSEC-MALS測定(溶媒の違い)

多分散ポリスチレン標準NBS706をTHFとDMFでSEC-MALS測定しました。 溶媒中での広がりの違いにより溶出挙動は異なりますが、SEC-MALS測定はその影響を受けず、正確に絶対分子量分布を求めることができます。

<<直鎖PMMAと分岐PMMAの測定例>>

PMMAの分岐度測定

直鎖PMMAと分岐PMMAをSEC-MALS測定し、それぞれを比較しました。 横軸は絶対分子量、縦軸は回転半径(Rg)です。
その傾きから、直鎖PMMAは良溶媒中で糸まり状構造を取っていることが分かり、分岐PMMAは分子量の増加に伴い分岐量が増加していることが確認できます。

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バッチ測定例

<<Zimmプロットの作成>>

バッチ測定(Zimmプロットの作成)

この例では0.10%から0.25%までの4濃度でKC/R(θ)を測定しています。各角度で濃度C=0のKC/R(θ)の値を外挿します。こうして得られたC=0のKC/R(θ)の近似直線ではX軸sin2(θ/2)+KCはC=0であるためsin2(θ/2)となります。また光散乱理論式は次のようになります。 KC/R(θ)=1/Mw P(θ)=1/Mw×(1+Rg・sin2(θ)・光学定数) 従ってジムプロットのY軸切片が1/Mwとなり、初期勾配が回転半径:rgの関数になります。 同様に測定各濃度で測定角度θを0°に外挿し得られたKC/R(θ)はsin2(θ/2)=0でX軸はKCとなり次の関係が成り立ちます。 KC/R(θ)=1/Mw +2A2C   P(θ)=1 従ってジムプロットのY軸切片が1/Mwとなり、初期勾配が第二ビリアル係数:A2の関数になります。

※仕様およびデザインは改良のため予告なく変更される場合があります。

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