高性能ゼータ電位測定器  Mobius

高性能ゼータ電位測定器 Mobius

ゼータ電位測定、粒子径分布測定

ゼータ電位は、溶液中に分散しているナノ粒子や蛋白質の電気的な分散安定性を評価する指標の1つとして利用されています。

生体高分子用ゼータ電位測定器Mobiusは、最新のレーザー技術とフォトダイオードアレイ検出器の採用により、独自のMassively Parallel- Phase Analysis Light Scattering(MP-PALS)法を実現させた唯一のゼータ電位測定器です。

MP-PALS法の採用により、より高速で高感度、低電圧でのゼータ電位測定を実現し、熱の影響を受けやすい生体高分子のゼータ電位を余計なストレスを掛けることなく、測定することができるようになりました。

また、オプションのAtlasとの接続による、高塩濃度溶液中での測定や、オートサンプラーとの接続による全自動測定にも対応し、操作性にも優れたゼータ電位測定器です。


特長

  • MP-PALS法による高感度・高精度測定
  • 低電圧(3V以下)条件下での測定
  • 迅速な測定時間(1測定あたり数十秒)
  • 高塩濃度溶液中での測定に対応
  • 微量分析に対応
  • オートサンプラーによる自動分析に対応

測定原理

電気泳動とは、電場の影響下における高分子や微粒子の移動を測定することで、電気泳動移動度μEは次の式で表せます。

 

ここで、vは粒子の電気泳動速度、Eは電場です。移動中の粒子にレーザー光を照射すると、図に示すようにドップラーシフトした散乱光を引き起こします。散乱光は、移動する粒子の方向に依存し赤か青のようにシフトします。Mobiusは散乱光のドップラー周波数シフトΔfを測定しています。vとは次の式で関連します。

ここでCは真空中での光の速度、n0は溶媒の屈折率、fは入射光の周波数を示します。

ドップラーシフト⊿fは、レーザー光の周波数と比較して非常に小さな値です(⊿fはfの1兆分の1)。しかしながらMobiusは、独自のMP-PALS測定法による参照光と散乱光間の干渉パターンをモニタリングすることにより、⊿fを正確に求めることが可能です。また、MP-PALS測定法は、多角度のシグナルを同時測定することにより、シグナルにおける粒子拡散の影響を低減させ、信頼性の高い測定を実現させることができます。この技術が蛋白質のように移動度が小さく、かつ散乱も弱いサンプルの測定を実現させます。

動的光散乱オプションを追加すると流体力学的半径rhの同時測定も可能となり、以下の関係式に基づき、実効電荷Zeを計算することができます。

ここでηは、溶液の粘度、kは逆デバイ長、f1(krh)はHenryの関数です。

測定した移動度からは、ゼータ電位ζも計算できます。流体力学的半径が電気二重層の厚みより十分に大きい場合、以下Smoluchowskiの式が成り立ちます。

ここで、εrは溶媒の誘電率、ε0は真空の誘電率です。
流体力学的半径が電気二重層の厚みより小さい場合、以下Huckelの式が成り立ちます。

ゼータ電位測定、粒子径分布測定

小容量フローセルアッセンブリは、サンプル量を低減できます。

独自のMassively Parallel Phase Analysis Light Scattering(MP-PALS)

独自のMassively Parallel Phase Analysis Light Scattering(MP-PALS)


1mg/mLのIgGの光学位相の平均を測定した例です。ここから測定した移動度は、+0.84μm・cm/V・secです。このサンプルはプラスチャージを帯びている為、電場の方向に移動します。

各pHにおける1mg/mLのIgGの移動度を測定し、グラフ化しました。等電点は、pH=9.1であることが確認できます。この値は、アミノ酸配列からの予想値と一致しています。


各種サンプルの測定値

サンプル種類
Mobiusの結果
文献値
備考
移動度
ゼータ電位
移動度
ゼータ電位
μm・cm/V・sec
mV
μm・cm/V・sec
mV
IgG1 抗体(Ⅰ) 1mg/mL
+0.32±9%
+5.8±9%
+0.35
+6.3
文献値は、キャピラリー電気泳動により得られた値
IgG1 抗体(Ⅱ) 1mg/mL
+0.59±8%
+10.7±8%
+0.58
+10.5
IgG1 抗体(Ⅲ) 1mg/mL
+0.84±7%
+15.2±7%
+0.75
+13.6
BSA 1mg/mL
-1.65±9%
-30.4±9%
-1.70
-31.3
*1
NIST SRM1980
+2.53±5%
+32.1±5%
+2.59
+32.9
標準試料

仕様

光源
45mW DPSSレーザー
レーザー波長
532nm
検出
30個の検出器による多角検出
検出器タイプ
マルチ素子シリコンフォトダイオードアレイ
DLS機能
搭載可能(オプション)
セル
PEEKフローセル(水系、溶剤系)
ディスポーザブルセル(水系、極性溶媒)
セル容量
170μL(PEEK、ディスポーザブル双方とも)
温調範囲
4-70℃
対応イオン強度範囲
0-50mS/cm(生理食塩水の4倍)
測定移動度範囲
全範囲
測定対応粒子径範囲
1nm~1μm
測定感度
1mg/mL リゾチーム
消費電力
400W(最大)
電源
90-250V@50-60Hz
寸法・重量
590(L)×360(W)×210(H)mm、25kg

 

 

※仕様およびデザインは改良のため予告なく変更される場合があります。